第1章 秋来にけり耳を訪ねて枕の風
Side 吾妻
『.....万事屋銀ちゃん』
江戸をのんびり老人のように散歩していたら見つけた。万事屋ですか。これはいいところに。現代のこと諸々教えてくれはしませんかねえ。』
階段を登り戸を叩くと、中から眼鏡を掛けた青年が出てきた。
「お早うございます。ご依頼ですか?」
『ええ、江戸の町は随分と久しぶりなので困っているのです。』
「そうですか。さあ、どうぞお入りください。」
そう中へ案内され、お茶を頂きながら待つ。
「江戸が久しぶりという事は、どこか遠くからいらっしゃったんですか?」
『ええ。京から。』
「遠いところはるばる...お疲れでしょう。あ、僕のなまえは志村新八です。すみません、今社長が外出中でして....少しお待ちいただければすぐに帰ってくると思います。」
「ただいまヨ〜〜」
「ワン」
新「神楽ちゃん、お客さんが来てるよ」
神「なんだと!?珍しいこともあるアルな!!
あ、ぱっつぁん定春の足拭くネ。雑巾持ってくるヨロシ」
新「はいはい」
目の前にいる巨大な白い犬.......かわいい!なんだこのモフモフは!これはこのモフモフをモフモフしてモフモフしなければならないではないか!!なんというモフモフ!はゥッ.........!?!
『おや、停電でしょうか』
新「吾妻さんんんんんん!!!!食われてる!!頭食われてる!!!そして心の声もダダ漏れです!!』
「おーーーい。帰ぇったぞーーーー」
定春の口の中、遠くから懐かしい声が聞こえた。