第17章 アルマトマンの記憶 ~存在意義~
イル・イラー『神がいることで運命は動き出す。それは人間たちの通過理論だ。神がいることで運命はある、だが決めているわけではない』
運命、ダビデが絶望したと言われている運命。全ての流れが決まっているという。
イル・イラー『神が消えることで運命から縛られなくなる。しかし、神が消えることで世界の時脈が崩れ世界は滅びる。それに運命は言いなりになるものではない』
シュウ『乗り越えることでその運命と向き合える。それが本来の流れ』
シュウもそのことを知っている。
イル・イラー『私がお前を呼んだのは、そんな運命の流れを、逆流を止める術をお前に渡しに来たのだ』
シュウ『運命の逆流を止める・・・術?』
イル・イラー『その術はお前のなかにあり、お前は元の世界で目を覚ますと自分の立場や力に怯え、全てが恐ろしく見えるであろう。』
その言葉を理解できぬままシュウは暗闇を抜けた。
そして、目は閉じてるが少し明るい光がさしこんでいる。シュウはそのままゆっくり目を開ける。