第1章 モノローグ
桜の満開の季節を少し過ぎた頃。
暖かな陽射しが降り注ぐ中、東聖高校の体育館では、入学式が行われていた。
「新入生挨拶。新入生代表 日下万里」
「はい」
体育館に響く低い声。
背の高い、顔立ちの整った少年が立ち上がった。
(成績よくてイケメンかぁ、この先色々とライバルになるんだろうなぁ)
そんなことを思いながら、斜め前で立ち上がった少年の横顔を見た。
「同じく新入生代表」
(おっと、いけない)
「荻野真依」
「はい」
気持ちを落ち着け、返事をして立ち上がった。
今日から高校生活が始まる。