第42章 里抜け
「クク…その煙玉にどんな意味がある?
俺からは絶対逃げられんぜよ。」
四本腕の男は得意気に糸の説明をする。
「…………参ったな…
へっ…
こんな能力者がいたとはな…」
俺は、男の説明に、ナルトがかかり損なった罠が、実は二重トラップでなく三重トラップだったことに気付く。
「てめーらはこのオレが…!!」
男がそう言って前に出ようとした。
だが、その動きはかなわない。
「……何だ? 体が…」
男は自分の意思で動かない体に戸惑いを見せる。
「ナイスだってばよ!キバ!シカマル!
影真似成功!!」
それを見たナルトが叫ぶ。
俺の影が伸びて敵の四人の影と繋がっていた。
「…でも、こんな能力者もいるんだぜ
へっ……
キレーに作戦にハマってくれてありがとうよ…」
俺がそう言うと、巻物を背負ったスチールグレーの髪の男が先程の俺と同じ言葉を口にした。
「参ったな…」
だが、そいつもただ参ったでは終わらせなかった。
「けどよ…オレにはこんな能力もあるんだぜ」
男がそう言った瞬間、太めの男が地面に手をついた。
地面が割れると同時に何処からか手裏剣が飛んできて俺の腕に刺さる。
その拍子に影真似の術がとけ、敵が自由になる。
そして、俺たちは敵の術に閉じ込められていた。