第42章 里抜け
「現在の戦力がどんなもんか熟知しときたい 。
各自持ってる忍具を、今全てチェックさせてくれ……3分で把握する。
何か質問はあるか?」
説明を終えた俺はそう言って全員を見る。
ナルトは首をブンブンと振って質問がないことを訴えていた。
「ねーなら最後に、一番大切なこと言っとく。」
俺がそう言うと全員が俺を見た。
「流は……いや、ルミはオレ等に本当の姿を偽っていた。
正直、ルミにムカついてる……けどそれはダチなのに、流のことに気付けなかった自分にだ!
男だろうが女だろうが、アイツがアイツなのは変わらねぇ!
ルミは同じ木ノ葉隠れの忍だ 仲間だ!
だから命懸けで助ける
これが木ノ葉流だ」
俺はそこまで言うと、ルミを救出するために集まった仲間を見回した。
「それにいくらオレでもめんどくさがったり出来ねーだろーがよ……
お前らの命預かってんでからよ。」
(流……いや、ルミ
お前の言った通り、やるときはやってやるぜ。)
俺の言葉に、まわりは漸く認めてくれたようで、俺は忍具を確認すると、里の門を出た。
「どうした?」
里を出てしばらくすると、キバが何かに反応した。
「近くに血の臭いだ。」
キバの言葉に、俺たちは緊張しながらも先を急いだ。
「ルミを含めた五人と別の二人の臭いがぶつかってたが…
血の臭いから五人が離れてくぜ!どうする!?」
キバが俺をチラリと確認しながらそう言った。
「……そこに行けば何らかの情報が入るんだろーけど……
時間がない。
ルミを、追うぞ!」
俺はそう言ってから、これからの指示を出した。
「ただし……戦闘があったってことは敵の警戒も厳しくなったってことだ。
当然追い忍の可能性も考えてるだろう。
つまりトラップと待ち伏せに合う確率が高い」
そう言うと後ろで息を飲む音がした。
「オイ!敵の臭いだらけだ!!」
キバの声に、俺は止まるように指示を出した。