第42章 里抜け
sideーシカマルー
「ファ~~。」
俺は椅子に座ったまま、朝食を前にあくびをしていた。
「お前も早く食べなさい!
今日からお父さんも任務なんだから!
朝修行の時間はそんなにないわよ!」
それを見た母が目を吊り上げてそう言う。
「ハイハイ……」
俺はそう答えるが、ハイは一回!と怒鳴られた。
だが、インターホンがなり、母は玄関へと消えていった。
「なぁ……オヤジ、
どうしてあんなキツイ母ちゃんと結婚したんだ……?」
俺が声をひそめてそう聞くと父は目をつむったままお茶をすすった。
「……そだな……あんな母ちゃんでも優しく笑うときがある…それでかな……」
父の答に俺は呆れた。
「……そんだけ?」
思わずそう言ったとき、母が顔を出した。
「シカマル、五代目の使者の方々がお見えよ。」
母の言葉に、俺は着替えて玄関に向かった。
その数分後、俺は火影室に向かっていた。
「……サスケ?」
火影室に入ると、そこには同期のうちはサスケがいた。
俺が思わず名前を呼ぶとサスケは黙って振り返ったが声を出すことはない。
「来たか。」
俺を見た五代目がそう言った。
「昨夜遅くに流が里を抜けた……
で……ほぼ間違いなく音の里に向かっている。」
五代目の言葉に俺は驚いた。
サスケは知っていたのか驚いてはいなかった。
「……どうして……」
俺が呟くと、五代目はため息をついた。
綱「……実はな、流の本当の名前はうちはルミと言うんだ。」
シ「えっ?」
俺は五代目がそう言ったことに驚いてサスケを見た。
(うちはって、うちは一族の?
だが、うちははサスケ以外滅ぼされたはずじゃ……)
俺は疑問に思い五代目に視線を移す。
「……流、いや、ルミはサスケと同じ一族の生き残りでな……訳あって男に変化して正体を偽っていた。」
五代目の言葉に俺はあることに気付く。
「……男に変化してってことは流は女だったってことっすか?」
俺が聞くと五代目は頷いた。