第42章 里抜け
"キュポ"
私は覚悟を決めると小瓶の蓋を開けた。
『……』
だが、丸薬を手にして動きを止める。
「?」
四人は動きを止めた私を不思議そうに見た。
『……水なしですか?』
私がそう言うと一瞬四人が呆れた顔をした。
「……無味無臭ですので。」
左近がそう言った。
『……それじゃあ、お願いしますね。』
私はそう言うと丸薬を口に含んだ。
(喉に詰まりませんように)
そんなことを祈りながら丸薬を飲み込んだ。
『……っ』
私は丸薬を飲むとふらついて地面に膝をついた。
「オイお前ら、チンタラしてっとルミ様にコロッと逝かれちまう。」
私は左近の物騒な言葉を聞きながら意識を手放した。