第41章 別れの前に……
三代目のもとを後にして外に出ると、いつの間にか空は紅くなりはじめていた。
私は一度空を仰ぐと、火影岩の上に瞬身を使って現れる。
『……この光景も、しばらく見納めか……』
紅く染まる木ノ葉の里を見下ろしてそう呟く。
『……綺麗だな……』
私は夕日に染められていく里を瞳に焼き付けるように眺めた。
私は日が落ちるまで火影岩の上ですごし、辺りが暗くなるとアパートに戻った。
アパートに戻ると、私は変化の術を解いた。
腰丈を越えた髪がふわりと揺れる。
私はうちはの家紋がついている忍服に着替えると、父の形見で髪を束ねた。
『……行きますか……』
私はそう言って準備してあったカバンを背負う。
(……極秘任務開始!ってか?)
私は中忍試験中に三代目に受けた任務を遂行するためにアパートを出た。
『……まさかのサスケとはね……』
私は里の門に向かう途中で現れた影に呟いた。
「……ルミ、何処に行くつもりだ?」
そう言ったサスケを月が照らした。
『……』
「……大蛇丸の所か……」
答えない私にサスケがそう言う。
『……よくわかったね、サスケ』
私がそう言うとサスケは顔を歪めた。
「どうしてだ!お前がアイツのところに行く理由何てないだろ!」
サスケはそう言うと悲しい目になる。
「……ルミ、お前は俺にとってなくしたはずの繋がりなんだ……
もう、一族を……俺は仲間を失いたくはない……」
ポツリと告げられたサスケの本音に私は切なくなった。