第38章 第7班再始動!
『……そうでもないですよ?
…………そうでも思ってなくちゃ、生きてられないような弱い人間だったんです。』
(やはり、この子も何かあったんだな……)
俺は時々覗くルミの暗いものを思い出す。
『……でも、今はわざわざ探さなくても毎日幸せ一杯ですよ?』
だが、ルミそう言うと微笑んだ。
その笑顔に偽りはなかった。
俺は、目を細めると、ルミの頭に手をのせた。
「……それは良かった。」
そう言ってルミの頭を撫でる。
ルミは嬉しそうに表情を緩ませた。
次の瞬間、ルミは顔面から俺の胸に突っ込んできた。
「……えっ?」
俺は、ルミの突然の行動に驚く。
俺の胸程までしかない頭を見ていると、ルミが顔を上げた。
『……先生が悪いんです。
頭撫でたりするから……お父さんって呼びますよ!』
ルミはそう言って俺から離れると、ナルトたちのもとへ駆けだした。
(一番大人びているように見えてもルミも子供なんだな……)
俺は、ルミが俺が悪いとふざけたように言った時の表情を思い出す。
それはまるで、幼い子供が親に甘えようとしているような、しかし、それを諦めた、そんな表情だった。
(……なんだか切ないね~)
俺は、ルミの表情もそうだが、ルミに父親代わりにされたことが切なく感じていた。
(……まさかね……)
俺は、思い至った事があまりにも馬鹿馬鹿しく思えて思わず自分を笑った。