第36章 綱手姫
「サスケェ!帰ってきたぜ!」
そう言って手を振るナルトの一歩後ろからは自来也と、もう一人若い女が歩いてきていた。
(あの女が次の火影?)
俺は、とても強そうには見えないそいつに不安を覚えた。
「綱手のばぁちゃんは医療忍術のスペ、スペ……えっと……とにかくすげェんだってばよ!」
ナルトはスペシャリストが出てこなかったようで少し詰まってからそう言った。
「これでカカシ先生も流も大丈夫だってばよ!」
ナルトはそう言うと、綱手とか言う女を急かすように病院の中に連れていく。
「お前、二人の病室しってるのかよ?」
俺は先頭を行くナルトに声をかけた。
「…………」
ナルトは黙って立ち止まる。
そのばにいたナルト以外がため息をついた。
「……大体、火影のもとに挨拶に行くのが先だろうに……」
女はナルトに着いてきたくせに今さらそんなことを言った。
「……その必要はない。」
突然の声に、俺は勢い良く振り向くいた。
「……久しぶりじゃのぉ。
…………綱手……。」
そこには、火影が笑顔で立っていた。
「先生!……お久しぶりです。」
女は頭を下げてそう言った。
「カカシと流の病室じゃが、わしが案内しよう。」
火影はそう言うと、黙って歩き出した。