第35章 共闘
「……何だってばよ!これ!?」
突然変わった景色に驚いていると、ナルトが叫ぶ。
「……ここは妙木山岩宿の大蝦蟇の食道の部分だけを口寄せした……つまり蛙の腹の中だ……」
ナルトに自来也が説明した。
イタチは俺たちに背を向けると駆け出した。
だが、俺は何故かイタチを追わなかった。
俺の腕の中には、何故か、気付けば女の姿になった流がいる。
(俺は復讐よりも仲間の安否を気にしたと言うのか……)
俺は流を見ながら、いつの間にか俺の中で大きくなっていた7班に舌をならしそうになった。
「……あれ?流ってば、髪が伸びてるってばよ!!」
ナルトが俺に抱えられている流の姿を見てそう言った。
「……黙れ、ウスラトンカチ……
何らかの術で女になっているだけだ!」
俺は中忍試験で術をかけられて女になったと言っていた流の言葉を思い出してそう言った。
ナルトはまじまじと流を見ていた。
「サスケ!ナルト!」
俺は名前を呼ばれて顔を上げた。
「あー!お前ってば、ゲシマユの先生!」
ナルトはガイを振り返って指を指す。
「……こやつはサスケと、流、といったかの?そこの二人を追って来たようじゃ。」
自来也がガイを見てそう言う。
「……ガイ、お主はサスケと流を連れて木ノ葉に帰れ。
ワシとナルトは綱手を探しに行く。」
俺は嫌とは言わなかった。
イタチを追うより流を木ノ葉に返すことを優先した。