第35章 共闘
side-サスケ-
俺は、イタチがナルトを狙って里に現れたと聞いて、直ぐにナルトを探しに向かった。
あのウスラトンカチがイタチに狙われてただですむ訳がない。
俺は、ナルトの事を心配していた。
……復讐の対象よりも、ナルトの安全を考えていた。
だが、いざナルトとイタチを見つけた時、俺は怒りに囚われた。
ようやく見つけたナルトはすでにイタチと対面していて、何故か流までいた。
俺はナルトの心配をしていたことすら忘れてイタチに向かって行った。
『これ以上サスケを闇に落とさないで!』
俺には何が起こったか分からなかった。
気付けば怒りであつくなっていた俺の目の前に表れた流が視界を遮る。
どけ、そう怒鳴ろうと思った。
だがそれは流が倒れたことで飲み込まれる。
俺と流はデカイ男に抱えられていた。
男は俺たちを抱えたまま歌舞伎役者のような自己紹介らしいことを言う。
「エロ仙人!」
ナルトが男を見て叫んだ。
その事によって知り合いなのだと理解する。
「……三忍の貴方がいてはぶが悪い……
鬼鮫、ここは引くぞ!」
イタチは自来也と名乗った男を見てそう言った。
「……はいそうですかと逃がす訳にはいかんのぅ……
お前たちはワシがここで始末する……」
男の言葉に、俺は頭に血が上る。
(こんな奴にイタチは殺させない!イタチのことは同じうちはである俺が片付けなきゃならないんだ!)
「アイツは、イタチは俺が殺す!!」
俺は自来也の腕から抜ける。
「……お前、その前にこの小僧の安否を気にするべきだのぉ……
こやつはお前を庇ってこうなったのじゃろ?」
だが、自来也は俺にそう言うと、流を見る。
その視線を追った俺は流を見て心が凪いで行くのを感じた。
「口寄せ・蝦蟇口縛り!」
俺流を見ている間に、自来也が何らかの術を発動させた。