第35章 共闘
side-ナルト-
「……エロ仙人のヤロー、修行見る気ないってば!」
木ノ葉の里をでて数日、俺は旅館の部屋でぶつくさ文句を言っていた。
エロ仙人は知らないねぇちゃんに着いていっちまって部屋に一人きりだ。
「……クソッ!こうなったら帰ってくるまでに修行終わらせてびっくりさせてやるってばよ!」
俺はそう言って、集中してチャクラを練りだした。
『…………』
「……?」
だが、部屋の前でゴニョゴニョ話し声が聞こえてきたせいで集中が切れてしまった。
「人の部屋の前でごちゃごちゃうるさいってばよ!」
俺は修行を邪魔されて苛立ち、そう言ってドアを開けた。
「……え?流?」
だが、そこにいたのは予想外の人物だった。
そこには、俺が里を出る時には入院していた流と知らない男二人が立っていた。
「流!退院したんだな!心配してたんだってばよ!」
俺は知らない男二人は放っておき、そう言って流に近付く。
『ナルト!』
突然流が慌てたように俺の手を引いた。
「……流?」
俺は訳が分からず流を呼ぶ。
「ナルト君は渡してもらう……」
知らない男の一人がそう言って近づいて来た。
そいつは誰かに似ていた。
"キン"
誰に似ているのか考えていると手裏剣が飛んで来て男が苦無でそれを叩き落とす。
「サスケ?」
「……うちはイタチ!」
俺の呟きはサスケの声にかきけされた。
(あいつ、サスケに似てたんだ!)
俺はイタチと呼ばれた男が誰に似ていたのか分かりすっきりする。
だが、そんなことを考えている場面ではなかったようだ。
サスケが苦無を持って男に攻撃した。
だがそれは全てかわされる。
「……サスケ、お前は弱い。」
イタチがそう言うとサスケが再び斬りかかる。
「……憎しみが足りないからだ!」
イタチはサスケの攻撃を避けるとそう言た。
俺はそんなことはないと叫ぼうとした。
『……イタチ、これ以上サスケと自分を苦しめる様なこと言うなよ!
憎しみがなくたって強くなれる!
イタチがいい例じゃないか!』
だが、イタチの言葉を流が否定したため、俺は黙る。