第35章 共闘

だが、イタチは流を鼻で笑った。

「……何を言っている？俺は一族に対する憎しみで強くなった！」

イタチの言葉に流は悲しそうな顔をしてサスケは唇を噛みしめた。


「……サスケ、俺を倒したければ強くなれ！
俺に対する憎しみを糧になっ！」

イタチがそう言うと、流が慌てたように動いた。

『これ以上サスケを闇に落とさないで！』


流は何時もの口調と少し違う口調でそう言うと、サスケとイタチの間に立ちふさがった。


その瞬間、流が倒れた。

「流!?」

俺が慌てて近づこうとすると、サスケと流が消えた。

驚いていると、後ろから聞き覚えのある声がした。

「……なにやっとるんじゃ……お前らわ……」

振り返ると、エロ仙人がサスケとぐったりした流を両脇に抱えていた。

「エロ仙人！」

俺はようやく戻ってきた師匠を呼んだ。


「……三忍の貴方がいてはぶが悪い……

鬼鮫、ここは引くぞ！」

イタチはエロ仙人を見るとそう言った。

「……はいそうですかと逃がす訳にはいかんのぅ……

お前たちはワシがここで始末する……」

エロ仙人がそう言うと、サスケが反応した。

「アイツは、イタチは俺が殺す！！」

サスケは自来也の腕から抜けるとイタチを睨んだ。


「……お前、その前にこの小僧の安否を気にするべきだのぉ……
こやつはお前を庇ってこうなったのじゃろ？」

エロ仙人がそう言うと、サスケが気まずそうに流を見て大人しくなる。


「口寄せ・蝦蟇口縛り！」


エロ仙人が印を結ぶと、景色が変わった。


「……何だってばよ！これ!?」

俺が驚いていると、エロ仙人が大人しくするように言ってきた。

「……ここは妙木山岩宿の大蝦蟇の食道の部分だけを口寄せした……つまり蛙の腹の中だ……」

エロ仙人の説明によると、俺たちに危険はないらしい。