第35章 共闘
『……イタチ、これ以上サスケと自分を苦しめる様なこと言うなよ!
憎しみがなくたって強くなれる!
イタチがいい例じゃないか!』
私の言葉にイタチが目を見開いた。
だが、直ぐに無表情になると、鼻で笑った。
「……何を言っている?俺は一族に対する憎しみで強くなった!」
イタチは私にではなくサスケに言い聞かせるように言う。
(本当は誰よりも一族と里を思ってたくせに……)
私はイタチを見て悲しくなった。
「……サスケ、俺を倒したければ強くなれ!
俺に対する憎しみを糧になっ!」
そう言ったイタチの瞳は万華鏡写輪眼になっていた。
『これ以上サスケを闇に落とさないで!』
私は、次に起こることを瞬時に予測し、サスケとイタチの間に立ちふさがった。
私の目がイタチの眼と絡む。
くるくると回る模様が見えたと思った瞬間、私の意識は幻術に囚われていた。
(全て私の自己満足……
……それでも、あなた達を傷付けたくないんだ……)
私は幻術に落ちる寸前、皆の幸福を祈った。