第35章 共闘
『……はぁ…………』
私は一人きりになった病室でため息をついた。
木ノ葉崩しはほぼ私の計算通りになった。
まず、砂の里が木ノ葉崩しに荷担を防ぐこと。
これは本選前に、砂の里から風影の遺体が発見されたと連絡があり、なんとかなった。
風影を助けることが出来なかったのは残念だったが、砂の忍びが木ノ葉崩しに荷担しなかったことで、死者を出さなくてすんだことは大きい。
そして、三代目を死なせず、出来る限り原作に沿って事を進める。
これもクリアできただろう。
大蛇丸は三代目の術で両手が使えなくなった。
そして、三代目は死んでいない。
(……でも、三代目はもう忍びとして生きられない……)
私は三代目を助ける際、三代目のチャクラを利用して歌遁を発動した。
その代償は、二度とチャクラが練れなくなると言うもの。
三代目は、命と引き換えに忍術を失った。
無理をすれば何とかなったかもしれないが、三代目が生きたまま、原作通り綱手を火影にするためには、三代目に引退してもらわなければならなかった。
だから、私はこの方法を選んだ。
『……ごめんなさい、三代目……』
私は、自分の勝手で三代目の術を奪ったことを謝った。
そして、木ノ葉崩しから三日目、意識を取り戻した三代目に自来也が綱手を探す任務を受け、ナルトと里を出た。
私は、その翌日、変化を保てるほどにはチャクラか回復し、病院を退院した。
「ルミ!心配したってばね!
病院行ったのに結界はってあるし……
解こうとしたら我愛羅に怒られて会いに行けなかったってばね……」
退院した私は、真っ先にメンマと我愛羅に会いに行った。
木ノ葉崩しで破壊された里の再建を砂の里も手伝ってくれていたため、中忍試験が中止になった今も、メンマたちは里にいた。
『……ごめん、チャクラ切れで変化できなくなってて……
誰かにばれたら大変だからカカシに結界張ってもらってた。』
私がそう言うと、メンマが首をかしげた。
「……カカシ?」
誰のことか分からないようでそう言う。
『……私達七班の担当上忍だよ。』
私がそう言うと、メンマはあぁ!と手を打った。