第31章 中忍試験~二次試験~
「流!」
サクラの叫びに俺は先程のこともあったと言うののに振り返ってしまった。
だが、敵も驚いて動きを止めたので攻撃されることはなかった。
『サクラ、サスケ後は俺がやる……』
そこにいたのは、男の姿に戻った流だった。
だが、その身体の一部は首にあったものと同じ模様が広がっていた。
『お前ら、覚悟しろよ?』
いつもより低い声で流が言う。
ザ「死に損ないが!
斬空極波!!」
ザクが流に向かって術を放った。
「流!」
俺は土煙に消えた流の名を叫ぶ。
『……そんなもんか。』
だが、煙が消えると、流はザクの背後に立っていた。
『自慢の両腕もこの程度かよ。』
流はそう言ってザクの左腕を後ろに引いた。
"ゴキ、ボキッ"
ザ「ぐぉおおおああ!!」
木の枝が折れるような音がした後、敵の忍びが悲鳴を上げた。
『……後二人。』
そう言って顔を上げた流に思わず言葉を失った。
[俺、誰かが傷付くの嫌なんだ~。
皆幸せになれればいのに……
全ての不幸な出来事を俺が肩代わりできたらいいののになぁ。]
アカデミー時代、流が呟いていた言葉が脳裏を過る。
「流!もうやめろ!」
俺は、気付くと、流を抱き締めていた。
戦闘中だとか、男同士むさ苦しいとか考えることもせずに抱き締める。
「お前らしくないぞ。
やりすぎだ。」
甘いと思っても、流を止めたかった。
『……サスケ、わかった、
大丈夫だ。』
流はそう言って俺から離れると三人に向き直った。
『大蛇丸はサスケから手を引いた。
お前らもおとなしく消えろ。』
流がそう言うと、三人は驚いた顔をしたが、大人しく引き下がった。
去り際に、お詫びと言って巻物をおいて三人は消えた。