第31章 中忍試験~二次試験~
『は、はは。
変な術かけられて、女に、なっちった。』
流が息絶え絶えにそう言って俺に笑いかけてきた。
だが、その顔は苦痛に歪んでいた。
俺は、まだ少しふらつく身体をおこし流に近づいた。
「毒か!?」
苦しむ流の髪をよけ首を見る。
(なんだこれは!?)
そこには三つ巴の不気味な模様が浮かんでいた。
『ぐっ、あぁぁぁっ…………』
突然、流が悲鳴を上げた。
そのあと静かになる。
「おいっ!流!」
俺はぐったりとした流の脈を慌てて測る。
(脈はある。……気を失ったのか。)
俺は取り敢えずほっとして、サクラとナルトを探す。
ナルトとサクラは気を失っていたがすぐに見つかった。
サクラは軽く揺すると目を覚ました。
だが、ナルトはなかなか目を覚まさない。
「サクラ、取り敢えず安全な場所まで移動するぞ」
俺はサクラご動ける事をかくにんすると、流を背負った。
サクラはナルトを背負う。
「サスケ君、流は?それにその子は一体……?」
サクラが俺の後を歩きながら不安そうな声で聞いてきた。
「こいつが流だ。
今は敵の術でこの姿になっている。」
俺は歩きながらそう答えた。
サクラが驚いていたが、今はそれどころではない。
俺は、木の根が絡まり合ってアーチ状になった場所を見つけるとそこに流とナルトを寝かせた。
『うぅっ……』
流がうめき声をあげる。
額当をずらして額に手を置くと熱があることがわかった。
「サクラ、ハンカチか何か持ってないか?」
俺は、流の額当を外しながらサクラにきいた。
「あるわ。
……はい、サスケ君。」
サクラはポケットからハンカチを取り出して俺に手渡した。
俺はそのハンカチに水筒から水を含ませる。
そのハンカチを流の額に乗せた。
「サクラ、コイツらを見ていてくれ。
俺はトラップを仕掛けて来る。」
俺はサクラにそう言うと、トラップを仕掛けるためその場を離れた。