第31章 中忍試験~二次試験~
sideーサスケー
敵の首が伸びて来たと思った瞬間、流の声が響いた。
それと同時に首に衝撃を感じ、意識を失いかける。
(流!?)
俺は衝撃を与えた犯人に驚いた。
流は俺に意識があることに気付かず大蛇丸と話し出した。
意識が途切れそうになりながらも必死に保ち続けている俺は流と敵の忍びの会話を理解できずにいた。
"ズチャ"
動かなかった敵の忍びが突然動き出したかと思ったら流に噛みついた。
(!?)
俺は不快な音とその光景に驚き、あせる。
「それじゃ、また会いましょう。」
敵は満足気な顔でそう言って姿を消した。
『ぐっ……くは、う"ぁあぁ……』
そのあと、突然流が首筋を押さえしゃがみ込む。
押し殺した声は痛みに耐えているのがたやすくわかった。
"ボフン"
術が解ける時の独特な音が聞こえた。
煙の中から漆黒な長い髪が風にゆられて現れる。
ややつり目気味の大きな瞳も同じく黒く輝いている。
(………………ルミ?)
そこには、幼い頃になくした大切な少女の面影を色濃く残した少女がうずくまっていた。
呼吸を見出しながらこちらを向いた少女と視線が絡んだ。
『……え?………』
その声は懐かしい声で、目の前の少女がルミなのではないかとあり得ない期待をさせた。