第31章 中忍試験~二次試験~
『サスケにつけるはずだったモノを俺につけろ。
お前が欲しかったものは俺も持っている。
……ただし、サスケに手を出したら、俺のもサスケのも、どちらもてに入らなくなると思え。』
私はそう言うと大蛇丸の返事を待った。
私はこの取引が成功するだろうと思っていた。
大蛇丸は写輪眼を欲している。
私はサスケと同じ写輪眼を持っていた。
そしてこの写輪眼はサスケよりも上の万華鏡写輪眼にまで進化していたからだ。
(まあ、父さんの目だからやるわけないけど。)
大蛇丸は少し考えたあとニヤリと笑った。
「いいわ。その取引……受けるわ……」
大蛇丸のその言葉に、私は言霊の力を無効にした。
その瞬間、大蛇丸が動きだし、私の首に噛みついた。
"ズチャ"
何とも言えない不快な音が耳に届く。
「それじゃ、また会いましょう。」
大蛇丸は満足気な顔でその場から姿を消した。
『ぐっ……くは、う"ぁあぁ……』
私は突然熱を持ち痛み出した首筋を押さえしゃがみ込む。
出来るだけ声を押さえ痛みに耐える。
"ボフン"
音を立てて変化がとけた。
頭の高い位置でまとめたポニーテールが揺れた。
(不味い、チャクラがコントロール出来ない)
私は乱れる呼吸を必死に整えようとしながら地面から視線を上げた。
『……え?………』
そこには目を見開き私を見ているサスケの姿があった。