第31章 中忍試験~二次試験~
大蛇丸の首が伸びて来たのと、私がサスケの背後に現れたのはほぼ同時だった。
『止まれ。』
チャクラを込めた私の声が響いた。
大蛇丸がサスケの首筋で口を開けたまま目を見開いていた。
"ドスッ"
私はサクラと同じようにサスケにも手刀を入れ、地面に寝かせた。
サス(流!?)
サスケは突然感じた衝撃に目眩を感じながらも、かろうじて意識を保ちルミをみていた。
だが、その事にルミは気付かず大蛇丸と話し出す。
『サスケは渡さないよ。』
私は大蛇丸に笑顔でそう告げる。
「……目的まで知っているってわけね。
でも、サスケ君は頂くわ!」
大蛇丸は固まったままそう言って怪しい笑みを浮かべる。
『動けないのに?』
私はそう言うと、瞳を写輪眼に変えた。
「なっ!?
あなた!その瞳!!」
私の目を見た大蛇丸が目を見開く。
『これが欲しいんだろ?』
私はそう言うと、写輪眼から万華鏡写輪眼に変える。
大蛇丸が息を飲むのが聞こえた。
『取引しよう。』
私は万華鏡写輪眼のまま大蛇丸を見つめる。
「取引?」
大蛇丸が私の言葉を繰り返す。
『今ならあんたを殺せるかもしれない。
でも、俺は人を殺さないと決めている。
それに、あんた殺してもほんとに死んだかわからなさそうだし……
だから取引だ、サスケから手を引け。
もちろん、ただとは言わない。』
私がそう言うと大蛇丸は面白そうな顔をする。