第31章 中忍試験~二次試験~
(来た!)
そう感じた瞬間、強すぎる風でナルトやサクラが飛ばされる。
私は素早く隣にいるサスケを抱き締めた。
ここで離れる訳には行かない。
風が止むと、辺りには私とサスケしかいなかった。
私はサスケに覆い被さるように茂みの中に倒れたまま周囲を警戒する。
『大丈夫か?サスケ。』
私は自分の下敷きになっているサスケの顔を覗き込む。
「あぁ。
……それよりどけ。」
サスケはいつまでも上にいる私の身体を持ち上げ横にどけ下から出る。
「サスケ君!」
その時、サクラが草陰から出て来て走りよる。
「サクラか!
待て、先ずは合言葉だ!」
サスケほサクラを制すと合言葉を促す。
「あ、ええ。」
サクラは頷くと、完璧に合言葉を言った。
「よし。」
サスケがほっとしたようにサクラと合流する。
だが、私は緊張したままだった。
むしろ、緊張の度合いは酷くなって来ていた。
(ここから先、ミスは許されない!)
私は緊張しながら気配が近づいてくる茂みを見つめていた。