第3章 岸辺露伴の恋愛事情
翌日学校に行くと、ホームルームが終わった後に康一君が話しかけてきた。
「悪いんだけど、今日も露伴先生のところに行ってくれないかな?」
昨日とは違い、困った様子なのが気にかかったが、また先生のところに行けるのが嬉しくて、もちろんいいよ、と答えた。
「ただ、今日は僕と仗助君と億泰君もいるけど‥」
相変わらず困り顔で彼が指差した先には、教室の戸にもたれかかっている二人がいた。
そして、先生の家。
「今日も来たのか‥?って、おまえらもかよ」
ドアを開けた先生は私と康一君を見て、次に仗助君達を見て言った。
「居ちゃあいけねぇんすか?」
不機嫌になりながら仗助君が言う。
「‥まぁいい、上がれ」
昨日のように案内されるが、昨日とは違って通されたのは広いリビングだった。
「で?今日は何の用だい」
茶を出し終えてようやく席に着いた先生がため息交じりに言った。
「用も何も、彼女の様子が変なんですよ」
「変?私変だったの!?」
思わず私が聞いてしまった。
「変?別に普通なんじゃあねぇのォー?」
答えてくれたのは億泰君だ。
「先生、やっぱりなんか書き込んだんじゃあないでしょうね」
その康一君の一言で、仗助君と億泰君の目つきが険しくなった。
「おい露伴、てめぇまだ悪さしてんのかよ?」
「おいおいおいおいおいおい!?僕は何もしていない!康一君、親友だろ!?」
「でも彼女がおかしいのも事実なんですよ!書き込まれたかどうかもよく分からないらしいし」
「んじゃあ先生にソイツを本にしてもらって確かめりゃあいいじゃんよォ」
「おいおいおいおいまてまてまてまて!僕はなにもしていないんだぞ!?」
そこでついに康一君がもう!!と呆れたように声を上げた。
「何もしてないのになんで彼女が先生に合いたいなんて言うんですかぁー!!」
私となぜか先生までも、凍り付いたように固まった。
「ちょ‥‥露伴何書き込んだんだよ‥」
「待て誤解だ僕はそんなこと書いていないッ!ッチ、今からコイツを本にして証明してやるよ!」
先生は荒々しく席を立つと、昨日の部屋へ行ったようだ。