第11章 夏と、浴衣と、猫たちの暴走。 R18
side莉奈
それから数時間後、ラムネを買いに行って中々帰ってこないリエーフ先輩と美優さんにメッセージを送るてつろーさん。
絣の浴衣をさらりと着こなし、ゴツすぎないシルバーアクセを組み合わせたりして…
自分のファッションを崩さない、そんなスタイルが格好いいなぁ。そう思っていたらてつろーさんとぱちりと目が合う。
「ん?見惚れちゃった?」
さらりと聞かれて、恥ずかしくなり顔をそらすとてつろーさんはくくっと笑う。
「クロ…気持ち悪い…」
「研磨、気持ち悪いってなんだよ。」
「そのままの意味。」
研磨先輩は相変わらず花火よりもゲームだ。
と、思ったらゲーム機をパーカーのポケットに入れどこかに歩き始めた。
「研磨どこ行くんだ?」
「…美優たち探してくる。まあ、余計なお世話かもしれないけど……」
そう言ってぺたぺたとサンダルを鳴らしながら歩いていく研磨先輩。
その後ろ姿をみていれば、くいと私の腕を誰かが引く。
「俺たちも行ってみようぜ。」
いつの間にか後のことは夜久先輩に任せていたらしい。
てつろーさんに腕を引かれ、私は再び屋台の方へと歩き出した。