第13章 修行の成果! R18
閉会式も終わり、解散。
ばらばらに帰っていくみんなを見送った後、私は駐車場に向かった。
朝と同じ場所に止まっているヴォクシーに、朝と同じようにノックすれば、中から開く扉。
「どうぞ?お嬢様?」
台詞かキザ過ぎてぷっと吹き出せば、てつろーさんが運転席から私の右手を引くから、そのまま私はシートに座り込む。
「てつろーさん、キャラ違う。」
そう言うとてつろーさんは確かにな、と言いぶひゃひゃと笑う。
ひとしきり笑ったてつろーさん。
柔らかな笑顔で私に問う。
「この後行きたいところは?」
本当はまっすぐてつろーさんのお家に行きたい。
でも、今日は頑張るって決めたから。
「あのね?
スーパーに行きたい…です。」
勇気を出して、伝えてみた。
びっくりしたようなてつろーさんの顔。
その顔がニヤリ、笑ったと思ったら、おっきなてつろーさんの手が頭に乗る。
「飲み物…とか買うわけじゃねーんだよな?」
「違います!今日はご飯作るんです!」
「美味い飯、食わせてくれんだろうな?」
「も、もちろん!」
まだまだ自信はないけれど、たくさん練習したから…
「絶対美味しいって言わせるつもりなんで覚悟しててくださいね?」
弱気な気持ちを強がりでカバー。
ここまで言ったからやるしかない。
「楽しみにしてる。」
くしゃくしゃと髪を乱しながら離れる手。
その手がハンドルを握ったのを見て、私は視線を前へと向けた。