第13章 修行の成果! R18
そして当日。
お泊まりの道具と大会の荷物を抱え玄関を出れば、家の前にはてつろーさんの車。
助手席側の窓をノックすれば、気づいたてつろーさんがにかり、笑った。
後ろの席に荷物を積み、助手席に乗り込み扉を閉めれば、おはよ、と柔らかな声。
おはようございますを返そうとてつろーさんの方を向けば、唇に柔らかな熱を帯びた。
キス、された。
自覚した瞬間、ぼんっと染まる頬。
てつろーさんはそんなことお構い無しって感じで私に話かけてくる。
「メシ、食ったか?」
「食…べました。」
「何か買うものは?コンビニ寄るか?」
「あ、飲み物欲しいのでお願いします。」
「了解。」
シートベルト締めろよの声に従い、ぱちりと金具を止めれば名前を呼ばれた。
「莉奈、おはよ。」
とんとんと自らの唇を指先で叩くてつろーさん。
お泊まりの朝、この仕草でキスをねだるてつろーさんが可愛くてキスしてたけど.…
自分の家から誰かが出てくるんじゃないか、近所の人に見られるんじゃないか。
そんなスリルでひやりとしながらてつろーさんの唇に自らの唇を急いで押し当てた。
恥ずかしさでうつむけば、出発するぞの声。
お願いしますと伝えれば、車はエンジン音とともに目的地に向かって進みだした。