第13章 修行の成果! R18
お願いをした週の土曜日、午後。
部活が終わった後、私はリエーフセンパイと一緒にリエーフセンパイの家に来ていた。
リエーフセンパイに出してもらったあったかいココアを飲んでいれば、がちゃりと玄関が開く音とただいまの声。
そしてスリッパのぱたぱたという音が近づいて来た。
かちゃり
開いたリビングの扉。
私がおかえりなさいを言う前にリエーフセンパイが開いたドアへと駆けていく。
「おかえり美優さん。外寒かったでしょ?コーヒーどうぞ。そうだ、今日マフラー忘れて行ったでしょ。玄関に置いてあった。」
『朝ギリギリで…次から気をつける。
コーヒーありがと。荷物置いて来たら飲むからソファのとこに置いといて?』
「わかりました。あ、昼飯どうします?」
『冷蔵庫の中見て決めるよ。』
…私、帰っていいかな。
なぜ、センパイたちのいちゃいちゃを目の前で見ていなければいけないのだろう…
色々言いたいことを飲み込んで、あのー、と声をかければ、びくりと美優さんが体を跳ねさせリエーフセンパイの後ろにいる私を見る。
『あ…莉奈ちゃん来てたんだ…今日ってお料理教室の日じゃないよね?』
「お邪魔してまーす。」
リエーフセンパイ、伝えておいてって言ったのに伝えてないな…
ちなみに料理教室って言うのは、私が恐ろしく料理ができないから、美優さんに頼み込んで定期的に料理を教えてもらってる日のこと。
「美優さんにお願いがあって来たんですが…」
にやり、と楽しそうに笑うリエーフセンパイは置いといて、私は本題を話し始めた。
「もうすぐてつろーさんの誕生日じゃないですか。
だからご飯作ってあげたくて…
私でもできそうな簡単な料理…教えてください。」
そう伝えると美優さんは、にこり、笑う。
「そういうことならいいよ。
じゃあ、お昼ご飯作るから食べながら作戦会議、しよ?」
お手伝いお願いね?
私は、そういいながら自室に荷物を置きにいく美優さんの後を、返事をしながら追いかけた。