第13章 修行の成果! R18
10月の某日、昼休み。
私は2年の教室のある廊下にいた。
中々来ない待ち人に少しイラつきを感じながらも後少し、後少しと待っていれば廊下の奥から目立つ銀髪が走り抜けてきた。
「ごめんっ!体育だったから遅くなった!」
急いできたらしいリエーフセンパイ。
ベストとネクタイとジャージを入れた袋を片手に持っている。
体育にしても戻るの遅くないでしょうか、の言葉をすんでのところで飲み込み、本題を話す。
「急がせてすいません。
次の大会のお知らせ渡しに来たんです。」
リエーフセンパイは床にジャージの袋を置くと器用にネクタイを結び始める。
「大会…いつだっけ?」
「11月の16、17日です。」
ネクタイを結び終え、ベストに腕を通しながらリエーフセンパイはあれ?と不思議そうな声を出した。
何かその日に用事でもあるのだろうか。
そう考えていると、リエーフセンパイはとんでもないことをぽろりと口に出した。
「11月17日って黒尾さんの誕生日じゃねーの?」
え?
すかさず持っていたスマホのスケジュールアプリを開き確認すれば、1117の欄に”てつろーさんたんじょうび♡”の文字。
「うそー‼︎‼︎‼︎‼︎」
スマホと持っていたプリントを何度見比べても同じ日。
せっかく日曜日にお誕生日だから前の日からお泊まりとかしたかった…
あからさまに落ち込んでいると、目の前のリエーフセンパイがポケットからスマホを取り出し操作をし出した。
明らかにメッセージアプリを起動させている。
何してるんだろう。
あーあ、てつろーさんの誕生日にデートしたかったよー…
「お、黒尾さん来てくれるって。」
メッセージすぐ返ってきた、とリエーフセンパイは私にスマホの画面を見せる。
そこにはてつろーさんからのメッセージ。
”17日空いてるぜ?
春高予選、見に行く。”
それを見て私もすかさずメッセージを送れば私にもすぐに返信が来た。
”17日、夜会いたいです。”
”ちゃんと空けてある。
当たり前だろ?
朝、会場まで送ってやる”
やった!
大会はあるけどてつろーさんと一緒!
楽しみな気持ちを込めてメッセージを送った後にふと気づいた。
プレゼントどうしよう。
うんうん悩んだ後、私は目の前のリエーフセンパイにとある”お願い”をした。