第11章 夏と、浴衣と、猫たちの暴走。 R18
side黒尾
「ずるい、てつろーさん。」
唇を離しながら、莉奈は呟く。
「私ばっかり欲しがってるみたいで、ずるい。」
固まった俺の体の下から抜け出した莉奈は俺の浴衣の合わせをそっと開くと小さな音を立てて喉仏に口付ける。
「私ばっかり期待してるみたいで、ずるい。」
ぺろり。
拙いやり方で首筋を舐めた莉奈は少しずつ唇を下へと落としていく。
たどり着いたのは胸の突起。
莉奈の唇は俺の胸の突起にそっと触れる。
やり方がわかんない。
そう言いながら、莉奈は俺のやり方をしっかり再現している。
唇で突起を挟んだり、舌先でつついたり、歯を立て甘く噛んだり。
まあ、男と言えどもそこはある程度感じるわけで…
声に出さないように耐えていれば急に起きるそれ以上の刺激。
「…っあ!……ちょっと待てっ、りなっ!」
「待たない。」
いつの間に手を伸ばしたのだろうか。
下着越しに肉棒を撫でられ、上への刺激で油断していた俺の身体はびくりと跳ねた。
制止をかければ駄々をこねるような莉奈の返し。
「今日は、私が、するの。」
だから、寝てください。
そう言いながら、俺の下着を寛げゆるく立ち上がった肉棒を外へ出しゆるゆると扱き出す、俺なんかより小さな手。
力加減がわからないのか、あまり力の入らない手。
本当に慣れてねぇんだなとくすりと笑えば、むっとする顔。
なだめるように頭を撫で、ベッドヘッドに背中を預けるようにして座れば、莉奈は俺の足の間にちょこんと座った。