第11章 其ノ拾
ふとー。
俺たち二人の気配に気がついたように、そっと握っていた手をほどいた。
相『智様。 この勝負は…』
大『ああ、もう終わるだろう…』
二『え…』
ヤーーー トヤーーーー
風を切り裂くような音をさせながら、二人の叫びに近い声とともに足が地に着いた。
松『ぅ………ぐ………っ』
国『ハァ……ハァ…ハァ』
大『勝負ありだな』
父『うむ……。 佐助。才蔵の手当てを、
酷いようなら東山の所へ連れて行ってやれ。
影丸と櫻井、二人は私の所へ来なさい。』
櫻・国『『はい。』』
みんなが去って、兄上と二人になって
若干の静寂が走る。
二『二人とも…これで真田の傘下に入っ
たということですね…』