第3章 残暑
外のうだるような暑さみたいに、何度もねっとりとキスを交わす。
舌が入って、さっき飲んだお茶の味なんかして、吸ったり、甘噛みしたり。
香苗さんの頭を撫でると、少し甘えてくれた気がした。
唇を離して、啓太は香苗の頬に軽いキスを落とす。
「香苗さん、可愛い。」
「でしょ?」
でしょ?なんて言われてしまっては拍子抜けしてしまう。
「あははははっ!」
とてもベッドシーンとは思えない笑い声がこだました。
「可愛くなきゃモテないってーの。」
ふんっと、上から目線で香苗さんが意見する。
計算されていようと、天然だろうと。
実際こんなにも可愛く、しかも憎めないんだから始末に負えない。
もう男という生き物は、香苗さんと言うこの女性には抗えないんじゃないか?
啓太は半ば本気でそんなことを思う。