• テキストサイズ

レイジーシンドローム

第1章 熱帯夜


網戸の窓の向こうから、時折車が通り過ぎる音が聞こえる。
まだ蒸し暑い残暑、学会の発表明けでのんびり出来るとはいえ、香苗はなかなか寝付けないでいた。

冷蔵庫からお茶を取り出す。さっき作ったばかりでぬるいそれは、味が少しばかり薄いが致し方あるまい。
伸びをして、肩から腕をだらりと垂らす。
服の中がむわっとする感覚は、いくら襟元をぱたぱたと動かして空気を通しても拭えない。

コップを片付け、本日何度目かのベッドへダイビング。
タオルケットを端に寄せると、少しひんやりしたシーツが心地いい。
しかしそのうちシーツも香苗の体温が移ってしまい、生ぬるく肌触りが悪くなる。
香苗はまだ冷えたところが無いかと寝返りを打った。




カーテンの隙間から、車のライトがすーっと横切るのが見えた。
目を閉じると、遠ざかる車の音がいつも以上に聞こえた気がした。
/ 65ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp