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術師~Lonely assassin~【R18】

第4章 *迷い子


『ふぅ…お待たせ(笑)』



言ったとおりその場で待ってくれていた彼に、小さな袋を持って近づく。
あんまり近づくのもまた警戒されそうなため、少し距離を置き袋をハンカチに乗せて芝生に置く。
私は少し後ろに下がって彼に『どうぞ、クッキーだよ』と言って様子を見る。
よっぽどお腹が空いていたのかすぐに寄ってきて座って中のクッキーを食べ始めたため、私も座って質問する。



『…美味しい?』



「……!!」コクコク



『良かった(笑) 君、名前は?』



「……。」ブンブンッ



『じゃあ、どこから来たの?』



「……。」ブンブンッ



『?? どうして、ここに来たの?』



「……??」



首を傾げられた。


『まさか、迷っちゃった?』



「…!!」コクコク



『あぁ、そっか……じゃあお家まで一緒に行く?』



「…………。」ブンブンッブンブンッ



家に帰ろうという質問をした途端、激しく首を左右に振り出した彼。
そんなに家に帰りたくない理由でもあるのだろうか。

そう考えていると、彼は何か謎の動きを始めた。
手を四角の形に動かし、波を描く様に右手を四角の場所に動かす。



『……? それ、何の動きかな』



男の子は今度は口を指差し、手を閉じたり開いたりを繰り返しその後両手でバツを作った。
その後また、さっきと同じ動きをしたため私は何となく伝えたいことが分かった気がして言ってみる。



『喋れないから…紙で伝えてくれる、の?』



「……♪」コクコク



通じたのが嬉しかったのか顔を明るくさせ笑顔になった男の子、紙とペンならメモ帳を持ち歩いているため内ポケットから取り出し渡す。
すると、スラスラと何かを書き始めた。
少ししてからメモ帳を返され何を書いていたのか見てみると、綺麗な字で長々と彼のことが書かれていた。

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