第1章 *どうしてこうなった。
受け取る時、私は顔を上げる。
その時私は初めて、そのコンビニ店員さんの顔を見たのだ。
相手も同じだったのか、ナイスタイミングでバッチリ目があう。
けど、すぐそらせば別になんでもないこと。
ただ…私は、反らすことができなかった。
「…、か?」
「……うそ」
目の前にいたのは。
まぎれもない、私の…最初の、彼氏。
高校時代の先輩…カイト先輩。
さらっさらの黒い髪に綺麗な目。
普通に人気があったし、やっぱり顔は結構カッコいいと思う。
現に、私が3年間見ない間に…先輩は、前よりさらにカッコよくなっていた。
「どうしたの、」
リヒトの声で、やっと我に返った。
…やばい。
運がいいのか悪いのか…ここには、私とリヒト以外に客がいない。
レジも先輩以外いない。