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【WJ】短編

第1章 【切甘】私だけが言えない言葉/及川徹


「ねえ、逢崎さん、聞いてる?」
「はあ、」


 私は久しぶりに徹関係で女子に囲まれた。
 昔から、徹は女子から人気で、そんな徹とずっと一緒にいるもんだから、嫌がらせや、呼び出しなんてしょっちゅうだったけど、中学に入って身長がぐんと伸びて、性格も男みたいだったから、女子は私のことを怖がって、徐々にそういうのは減ってったんだけど、


「彼女でもないのに、いつも及川君にべったりで、ちょっとは迷惑ってもの考えなさいよね!」
「あんたみたいな巨女が及川君と隣に並ぶなんて図々しいのよ!」
「ねえ、2人ともやめようよ~。」


 ギラギラと目を光らせる女2人の間に小動物。ふわふわしてて、いかにも、女の子!って感じで、徹の好きそうなタイプ。


「徹のことが好きだから、威嚇しにきた訳?言いたいことは友達に言わせないで、はっきり自分で言いなよ。」
「え、別に私はそんな威嚇とか~、」


 のんびりした喋り方に私のイライラは更に募る。


「徹のことが好きならさっさと好きって徹に言ってくればいいでしょ!」
「だから、付き合っても逢崎さんみたいなのが及川君にくっついてたんじゃ、この子が可哀想でしょ!空気読みなよ!及川君、こんな無神経な女が幼馴染みなんてほんと可哀想!
逢崎さんはどうせ、人気者の及川君と幼馴染みで、ずっと一緒にいられて、周りの女子のこと見下してんでしょ!自分は及川君の特別だって!」
「は?」


 私の反応に3人の顔から血の気が引いてくのが見て分かった。


「特別って何?幼馴染みがそんなに偉いの?羨ましがるものなの?
私は、徹に好きって伝えられるアンタらの方がよっぽど羨ましいよ!」

「へー、いい事聞いちゃったな。」

「な、なんで、及川君が…!」
「面白そうな話してるね、俺も混ぜてよ。ガールズトーク。」


 いつもの笑みを浮かべ、私たちを見る徹。その徹を見て、私を囲っていた女子は慌てて退散していった。




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