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気まぐれな君

第1章 ネコ


そして、冒頭に戻り、現在ルルの朝ごはんの猫缶を開け、皿に移している最中だった。
「ご主人〜。いつもこんな不摂生な生活していたら、いずれ過労死してしまいますよ」
「何でそんな難しい言葉は知ってるんだよ」
朝に叩き起こされ、やはりこれは夢じゃなかったのかと再度確信した。
「ご主人〜。テレビ付けましょうよ。ニュースはこまめにチェックしないと、世間で何が起き、世界で何が起きてるか分からないっすよ?」
「猫なのに言うことがしっかりし過ぎて反論できねぇわ」
大体家に居ても、携帯でニュースを見るのでテレビをつける事なんて殆どない。
「ご主人〜。リモコンどこ?」
猫缶を移した皿をルルに渡す。
「お!今日は何か入ってる!」
「帆立がどうのこうのって書いてあったから、それにした」
生活費がギリギリなのに、食代が嵩むという理由で猫缶を買うのは今日で止めだな。
「明日からキャットフードでもいいか?」
「食べたことないから何とも言えない」
ご飯を口いっぱいに頬張りながら、喋ると口からポロポロ落ちてくる。
まあ、人間みたいに猫が口を閉じて食うってことがまず出来ないか。
「あ、今日、帰り遅いから」
言わなくてもいいかなと思ったが、一応帰宅時間を言う事にした。
「何時?」
「今日は6時から0時」
「にゃ!?」
いきなり猫になったルルに(元々猫だが)「どうした?」と言おうとしたら。
「そんなぁぁ!!!!私寂しいじゃないですかぁ!!!」
ルルは俺の足元に頭を擦り付け、にゃーん、にゃーんと声をあげて鳴いている。
「仕方ないだろ?こう見えても財政的にキツイんだよ」
「じゃあバイト増やすっす」
「鬼か」
ルルは、もう知らんっすと言って、俺の布団に行き寝た。
俺はドラッグストアでキャットフードを買い、家に帰り皿に移しているからバイトへと出掛けた。
部屋の電気やテレビの付けっぱなしは電気代が嵩むので、簡易用の懐柔電灯を吊るしてきた。
俺が家から出る時は寝てたから、まあ大丈夫だろう。
気にせずバイトにいった。
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