白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「…何を…」
「君だけで済むなら
君は喜んで受け入れるのは
調べた時には分かってたよ
だから、準備した
プロジェクトそのものを潰す策を
彼女を追い詰める方法
後は実行するだけ
………意味、分かるね?」
やはり崩れない笑顔で
淡々と話して
「日曜日待ってるよ、黒尾くん
どうだね?一杯。
帰りは送らせるから」
名前しか知らない様な
高級な酒を俺の目の前に置く
「…いえ、俺は…」
「私はワガママでね
断られるのが嫌いなんだ
もう分かったと思うがね。
…さぁ、どうぞ」
想像を軽く超えて来た
哀川さんの対応に
頭は真っ白のまま
考える力も抜けて行く
一杯だけと、口を付けると
満足そうに笑って
自分も酒に口を付ける
ダメだ。
流されるな
考えろ。
どうすれば良いのか
どうすれば誰も傷付けずに
済むのかを。
無言で喉にやたら
味を張り付ける酒を流し込みながら
止まりそうになる
思考に鞭を打つ