白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
そうだ着替えないと
化粧も…
だってお見合いなら
相手の人も綺麗にしてる…
きっと鉄朗も…
『…なんで、嘘ついたの?
会わないって…言ったじゃない…』
化粧をしても
服を着替えても
一向に明るくならない顔
一通り用意はしたけど
気分はドンドン暗くなって行く
化粧を崩さない様に涙を堪えていると
鳴った携帯
ディスプレイには研磨くんの名前
『はい…』
〈下に着いた〉
『すぐ行く…』
言葉少なに電話を切って
マンションを出ると
「姫凪…
とりあえず乗りなよ」
珍しく車から降りて待ってた
研磨くんが助手席のドアを開ける
言われるままに
車に乗り込んでから
『…あ、れ?
研磨くん一人なの?』
運転席に戻った研磨くんに尋ねると
「うん。
予定調整して貰ってるから
連れてこれなかった。
後一時間も待てば都合ついたけど
それじゃ遅い
姫凪は一人で
乗り込んでたでしょ?」
早口に答えるて
車のエンジンを掛けた