• テキストサイズ

白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ


なるべく明るく話して
”じゃあ”と通話を切ろうとした
私の耳に

〈あ、うん…ごめん〉

研磨くんの小さな声が届く

それは短く消えそうで
罰の悪そうな空気を纏ってる

これ、知ってる
研磨くんがこういう反応する時は
凄く困って何かを隠そうとしてる時。

と、言う事は鉄朗の用事は

〈姫凪…あの…〉

『お見合い、どこで?』

あの人と会う事。

〈姫凪、待って
クロの事はその…〉

珍しく言葉に詰まる研磨くんの様子から
私の予感は的中してる事を
確信していく

『鉄朗はどこ?』

嫌だ…行かないで
止めたい…止めなきゃ

義理でも嘘でも
もう他の人の所になんか
行かないで欲しい

欲張りになり過ぎて
顕になった独占欲のまま
研磨くんを問い詰めると

〈分かった。
おれ迎えにいくから
待ってて〉

諦めた様に研磨くんが行って
通話を切る

途切れた電波でハッとして
顔を上げると
鏡に映る焦り顔
/ 1242ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp