第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

そう言えば
予定詰まってるって…

『ごめん、研磨くん
あの…本当に…』

慌てて頭を下げると

「…別に良い。
元はといえば
おれが間違ったから…だし。
おれ、姫凪が及川サンとって
クロに聞いて
クロも離れるとか言ってて…
拗れまくってるから
違う刺激があれば
ちょっとはお互いに
素直になれるんじゃないかって
思って余計な事した…し」

研磨くんが申し訳なさそうに
話を続ける

『お見合い…研磨くんが？』

「うん、元はおれに来た話だった
向こうの人が乗り気じゃないのも
調べさせて聞いてたし
纏まる話じゃないと思ってたんだ

しかも姫凪が
及川サンとなんて
あり得ないって分かってたし。
でもここまで拗れたら
こんな事でもないと
姫凪もクロに
素直になれないんじゃないかって
そう思ったから
けしかけたんだけど…」

そこまで言って
研磨くんが口を噤む