白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
部屋着のまま
マンションの下に出て
ウロウロしてると
高級車が一台
こちらに向かって来る
アレ?いや、まさか…
でも高級車はマンションの前で止まり
「黒尾さま、着きました」
運転手が降りて来て
後部座席のドアを開ける
えぇ!?鉄朗なの!?
なんで!?
「…失礼します」
出て来た鉄朗と目が合ったけど
鉄朗は私には何も言わずに
車をかえして
マンションに入って行く
いや、なんで!?
無視するの!?
慌てて後を追うと
エントランスの壁に
凭れて放心してる鉄朗
『鉄朗!
どうしたの?
あの車、なに?』
「…なんでもないですぅ…
姫凪…ただいま
遅くなってゴメンな」
駆け寄った私を抱き締めて
弱々しく囁いて
熱を伝えて来る
一緒に香って来た匂いは
タバコとお酒の香
『飲んでたの?』
「…チョット飲まされた
飯は食ってないから
姫凪の飯食いたい
それより…姫凪が食いたい」