白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
まぁ、そんな事は
よくある事だし
[無理しないで]
と返して
熱いコーヒーをカップに注いで
雑誌に手を伸ばす
昨日早く寝た事もあって
身体もそこまで疲れてないし
少しくらい待つのなんか
どうって事はない
ただ…
時計の針が
更に一周する頃には
少しずつ心臓が早くなって来た
ここまで長引くって
よっぽど大きなトラブルなんじゃない?
取引先聞いておけば良かったかも
…いや、知ってても
どうにか出来る事じゃないんだけど…
もう一度LINEを開いて
”大丈夫?”と送ろうとして
手を止める
マナーモードにしてるだろうけど
連投したらウザいよね
後三十分待とうかな…
ソワソワしながら
ソファーから玄関を往復してると
やっと鳴った携帯電話
『鉄朗!?』
〈待たせてゴメンな
もうすぐ着くから〉
疲れ切った声の鉄朗が
それだけ言って電話を切った
電車かな?
それともタクシーかな?
なんにしても
何だかジッとしてられない