第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

小さく付け足して

「よろしくなァ
あ、オイカーくん
進捗の方はどうよ？
夕方の会議までに
まとめといてなー」

仕事モードに切り替えて
去って行く

切り替えろ…って言われても
無理…

「…無理〜みたいな顔してないで
切り替えてください
ここは職場ですから」

『ひゃぁぁ！
赤葦さん！！スイマセン！！』

私の心を読んだ様に
今度は赤葦さんが
私の耳に声を落として来る

慌てて背筋を伸ばす私に

「さっきの今で反省の色が
見えませんので
お仕置き確定ですかね」

追撃とばかりに
首筋に息を吐きかけて来る

『ちょっと赤葦さん？！
あの、目が怖いです
今後この様な事はない様に
しますんで…どうか穏便に…』

擽ったさに耐えながら
声を震わす私に

「…切り替えが足りないのは
黒尾さん（アチラ）も同じみたいので
今一度二人で気を引き締めて
業務に励む様に」

違う意味でゾクっとする
冷たい声を落として
赤葦さんが席に戻って行った