白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「そんな余裕ねぇって。
ずっと姫凪しか見てない
見れるわけねぇだろ」
少し背を屈め
首筋を晒し
ん、と合図すると
姫凪が少し躊躇って俺を見る
「付けろよ、もう隠す事もねぇじゃん?
聞かれたら俺も誤魔化さず話すからさ
俺の身体も心もお前のなんで、って」
微笑み掛け
もう一度首をあげると
姫凪の赤い唇が噛み付き
小さいけど濃い紅を残す
そして…
『…あの、重いんだけど…さ
言っていい?
嫌いにならない?』
言い難そうに口を開いた
「んー?」
『…ずっと、ね。
ヤキモチ妬いてたの
他の女の子と仲良くしてるの
見る度に…
特に、ハナさんは…
凄く…苦しかった…
仲良くしないで、なんて言えないけど
その…お見合いは、嫌だ…な』
あまり束縛するような事を
自分から言わない姫凪が
珍しく溢した独占欲に
「わかってる。
チャント断るから
心配しなさんな
姫凪が嫌がる事はしない」
胸がギュッと掴まれた気持ちになった