白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
まだ酔いきれてない俺の頭は
必死に紳士ぶってるけど
まぁ、それも付け焼き刃
「姫凪が
帰りたいなら
俺が送ってやるけど…」
「んな危ねえ事させっか!
姫凪、とりあえず
服着替えて来いよ
部屋着出してやるから」
木兎の言葉に
また、まんまと乗せられ
姫凪を引き剥がして
自室に連れて行く
「姫凪ごめんな
今日の木兎どうしたんだろうなァ
変に頭回ると言うか
やり方が凝ってね?
研磨か!ってなァ?
えっと…お前の部屋着…出すから
チョット待ってろよ」
ベットに座らせて
クローゼットの中にしまいこんだ
姫凪の私物を漁る背中に
『まだ…置いてくれてたんだね』
小さい声がぶつかる
「…当たり前だろ」
本当は何度も送り返そうと思った
捨てようかとも思ったりした
でも、出来なかった
もしかしたら、またいつか…
そんな期待を捨てきれなかった
今となっては良かったと思う