白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
そんな俺の声を
「じゃあ、俺が払うから
クロちゃんは
姫凪ちゃんのを払ってよ
出費はほぼ一緒でしょ
じゃあ、そういう事で
行こうか?」
あっさり切り捨て
ハナちゃんの背中を押す
オイカーくん
「おい、ハナちゃん?」
「…気にしないで
私も…もう一回頑張るから
黒尾くんも頑張って……じゃあね!
ちょっと、私の分は
自分で払うから伝票ちょうだい!」
「嫌だね。
そこはラッキー、とでも
言ってりゃ良いんだよ
傷心の女の子から
お金取る趣味も
連れが払うって言ってんのに
自分だけ割り勘で
ラッキーって思う様な
教育も受けてないから
じゃあね、二人とも
………がんばって」
意味深に吐いた
"頑張って"の声に
姫凪の顔が少し
赤く染まる
オイカーくんに照れてるわけじゃ
ないとしたら…
「…飯、喉通る?」
『へ!?無理!
…いや、食べるけど…』
「どっちですかァ?」
『…えっと…クロ…少し食べる?』
そういう事になるのでは?