第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

思い知らさせる
お前じゃないと駄目だって。

「そ、そうか…」

クールにこたえてみるけど
内心は動揺しまくりだ

「姫凪ちゃん
早く食べなよ？
クロちゃんに置いて行かれても良いの？」

『それは嫌！一緒に出る！』

必死に残りをかきこもうとする姫凪に
懐かしさが蘇って

「こらこら
また汚したらどうすンですかァ？
ユックリ食べろよ
チャント待ってるから」

自然と声も仕草も
あの時みたいに
甘く優しくなってしまう

ぶつかる視線に
込み上げる幸せに

「…やってらんないね
及川さんは先に出るよ
岩ちゃんに電話しないと
駄目なの忘れてた！
…キミは？残る？行く？」

「行くに決まってるでしょ
私も暇じゃないもん
黒尾くん、じゃあね
あ…会計はやっぱり
自分で払う」

割り込む声

「は？オイカーくんは良いとして
ハナちゃんのは
俺が払うって…」

思わず席を立って
ハナちゃんの手の中の
伝票を掴んだ