白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「おい、オイカーくん
なんで一人なんですかァ?!」
オイカーくんに駆け寄り
耳打つと
「気になるなら
自分で行けば良いじゃん
及川さんは忙しいんだよ」
プイッと俺から顔を背け
また携帯を弄る
な、なんだと?!
ラッキー…で、なくて!
なんで行かねぇんだ?
だって…姫凪とオイカーくんは…
「フラフラ歩いてるから
ナンパされたりして…」
とか、言ってる場合じゃねぇじゃんよ!
「それはダメ!絶対!」
慌ててトボトボ歩く
姫凪に近付いて
「コラコラ。
はぐれますよー
相変わらず放っとけねぇ」
声を掛けた
久々に並ぶ隣
慣れ親しんだ甘い匂いと
サラサラ揺れる髪の毛
なぁ、もし。
もしも、だぜ?
お前とオイカーくんが
そういう関係じゃないとしたら…
そんな事ばかり考えてしまう
でも、それは
『…ごめん…ね
あの…』
「…いや、そんな顔しなくても
怒ってるわけじゃ…なくて、だな…」
『え、そんなつもりじゃなくて…
ただ…』
俺だけだよな、きっと。