白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
コソコソ姫凪に
耳打ちする姿を
極力気にしないように
「…じゃあ、行くか
その代わりオイカーくんの分までは
出さねぇからな!」
少し前を歩く
「はいはーい。
姫凪ちゃんのは
俺が出したげるね?
なんかダブルデートみたいだね
ワクワクしてきたな」
ダブルデート…ね。
そっちはデートかも知んねぇけど
…って。妬いてんじゃねぇよ。
気にしなきゃ良い
これから友達として付き合って行くなら
こんな事くらいで
凹んでる場合じゃねぇよな
「勝手にワクワクしないでクダサイ
ったく。
オイカーくんとは
トコトン合わねぇ気がするぜ
ほら、待たしてンだから
サッサと行くぞ」
必死にいつも通りを演じて
振り返らず歩いてたつもりだったけど
後ろはやっぱり気になってしまう…って
「あ、れ?
来てなくね?」
居ないってなんですか!?
オイカーくんの隣に居るはずの
小さな影は
そのまた少し後ろを歩いてて
オイカーくんは一人
携帯のチェックとかしながら
呑気に歩いてる