白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「誰でも良いだろ
送ってくるから
絡むなよ
そのまま得意先行ってくる
昼前には戻るから
行こう、ハナちゃん」
「え?黒尾くん?」
「良いから」
強引に話を終わらせ
会社を出てタクシーを拾い
別れる間際適当に
ランチの場所を決めて
得意先に向かった
「じゃあ、また後日
見積もりを持って
お伺いさせて頂きます」
「はい、よろしくお願いします」
朝の予定を一段落させて
見る時計
こんな時に限って
スムーズに運びすぎて
時間があまる
ブラブラサボるには
申し訳ないあまり具合に
仕方なく会社に戻ると
「ただいまー」
『あ!おかえり!
コーヒー飲みますか?」
部内の
どの女子より早く
駆け寄って来た姫凪
「お、おぅ…サンキュ…
あ、姫凪…ちゃんの方は?
あの山積みの書類
なんとなかなった?
無理してんじゃねぇの?」
戸惑いながらも
慣れ親しんだ甘い匂いが嬉しくて
ピタリと寄り添ってしまう身体